「SESはやめとけ」の声が絶えない理由
SNSや転職サイトで「SESはやめとけ」という声を目にしたことがある人は多いでしょう。実際、SES企業には構造的な問題があり、すべてのSESを手放しでおすすめすることはできません。
しかし、SESの全てが悪いわけではないのも事実です。この記事では「やめとけ」と言われる7つの理由を検証し、本当に避けるべきSESと、活用すべきSESの見分け方を解説します。
理由①:年収が低い
SESエンジニアの平均年収は約400〜450万円です。IT業界全体の平均年収(約537万円)と比較すると、約100〜180万円も低い水準です。
この原因は多重下請け構造にあります。エンドクライアントが支払う単価が、元請け→二次請け→三次請けと流れる中でマージンが抜かれ、エンジニアの手取りは大きく目減りします。
ただし例外もある
高還元SES(還元率70%以上)や、元請け直接の案件が多い企業なら、年収500万円以上も可能です。入社前に還元率を確認することが重要です。
理由②:スキルが身につきにくい
SESでは、配属先の案件によってやることが決まります。テストばかり、ドキュメント作成ばかりという現場も珍しくありません。
- 希望する技術分野と配属先のミスマッチ
- 短期案件の繰り返しで、一つの技術を深堀りできない
- 客先のルールに従うため、新しい技術を提案しにくい
理由③:客先常駐の孤独感
客先常駐は、自社の社員なのに毎日他社のオフィスで働くという特殊な環境です。
- 客先の社員と微妙な距離感がある
- 自社の同僚と顔を合わせる機会が少ない
- 困った時に相談できる人が近くにいない
理由④:評価制度が不透明
SESエンジニアの評価者は自社の上司ですが、その上司は現場での働きぶりを直接見ていません。結果として、正当な評価がされにくい構造があります。
「どれだけ頑張っても昇給しない」「現場で評価されても自社に伝わらない」という不満はSESエンジニアに共通する悩みです。
理由⑤:配属ガチャの存在
SESでは、どの現場に配属されるかが運次第になりがちです。いわゆる「配属ガチャ」です。
- 最新技術を使う現場もあれば、レガシーシステムの保守だけの現場も
- 人間関係が良い現場もあれば、ハラスメントがある現場も
- エンジニアの希望が反映されるかは、営業の力量次第
理由⑥:多重下請け構造の闇
SES業界は多重下請け構造が根深く残っています。一般的に2〜3次請けが多く、極端な場合は5次請け以上になることもあります。
100万円の単価が元請けを通過するごとにマージンが抜かれ、エンジニアに届くのは半分程度ということも珍しくありません。
理由⑦:偽装請負のリスク
SES契約は準委任契約のため、本来は自社の指揮命令下で作業する必要があります。しかし実態は、客先の社員から直接指示を受けるケースが少なくありません。
これは偽装請負と呼ばれる違法行為です。厚生労働省のガイドラインでも明確に区分基準が定められています。
SESが「やめとけ」とは限らないケース
良いSES企業の特徴
- 還元率を公開している:70%以上なら優良の部類
- 案件の選択権がある:エンジニアの希望を尊重してくれる
- 研修制度がある:自社での技術研修やキャリア面談が定期的にある
- 元請け案件が多い:三次請け以降にならない
- 自社サービスも持っている:SES以外の事業の柱がある
SESを活用すべき人
- 未経験からITエンジニアになりたい人(入口としては有効)
- 幅広い技術や現場を経験したい若手エンジニア
- 2〜3年で転職するつもりで、ステップアップの踏み台にする人
まとめ:大事なのは「どのSESか」を見極めること
「SESはやめとけ」は半分正解で、半分は言い過ぎです。大事なのは、どのSES企業で、どんな案件に入るかを見極めることです。
- 年収・還元率・案件の質を事前に確認する
- 入社してみて合わなければ、2〜3年で次のステップに進む
- 「SES=悪」ではなく、キャリアの通過点として活用する視点を持つ
今のSESに不満があるなら、それはキャリアを見直すタイミングかもしれません。