SESの還元率とは
SESの還元率とは、クライアントが支払う単価のうち、エンジニアに還元される割合のことです。
例えば、クライアントが月額60万円を支払い、エンジニアの月給が36万円なら、還元率は60%です。残りの40%がSES企業の取り分(マージン)になります。
還元率の相場はどのくらい?
業界の相場
- 50〜60%:一般的なSES企業の標準的な還元率
- 70〜80%:高還元を謳うSES企業
- 80%以上:業界トップクラス(ただし注意点あり)
還元率50%以下の場合は、マージンが取りすぎの可能性があります。60%以上を一つの目安にしましょう。
「80%還元」のカラクリ
「還元率80%」と謳う企業は増えていますが、計算方法に統一基準がないため、数字だけを鵜呑みにするのは危険です。
パターン1:会社負担の社会保険料を含むケース
会社が負担する社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険の事業主負担分)を「還元」に含めて計算するケースです。
- 単価60万円 × 80% = 48万円(表面上の還元額)
- 社会保険の会社負担分:約7万円
- 実際の手取りベース:41万円(実質還元率 約68%)
パターン2:交通費・諸経費を含むケース
交通費、通信費、備品費などの経費を還元率の計算に含める企業もあります。
パターン3:正味の還元率
社会保険料や経費を差し引いた後の金額で計算する、もっとも実態に近い還元率です。このパターンで70%以上あれば、かなりの高還元と言えます。
還元率を正しく確認する方法
面接・入社前に質問すべきこと
- 「還元率の計算に何が含まれていますか?」
- 「社会保険の会社負担分は還元率に含まれていますか?」
- 「月額単価と月給の具体的な例を教えてください」
- 「賞与は別枠ですか?還元率に含まれていますか?」
自分で計算する方法
以下の計算式で実質還元率を算出できます。
実質還元率 =(月給 + 賞与月割)÷ 月額単価 × 100
例:月給35万円、賞与年60万円(月5万円相当)、単価60万円の場合
→(35 + 5)÷ 60 × 100 = 66.7%
還元率と年収の関係
単価別のシミュレーション
月額単価60万円の場合、還元率によって年収は以下のように変わります。
- 還元率50%:年収360万円
- 還元率60%:年収432万円
- 還元率70%:年収504万円
- 還元率80%:年収576万円
還元率が10%違うだけで、年収に約72万円の差が生まれます。
高還元SESの注意点
還元率が高い=良い企業とは限りません。以下の点に注意しましょう。
- 福利厚生が薄い:高還元の代わりに、研修・資格支援・退職金がない場合がある
- 営業力が弱い:高還元を維持するために営業コストを削り、案件の質が低い
- 待機保証がない:案件が切れたら即収入ゼロになるリスク
- 社会保険が最低限:健康保険が協会けんぽではなく、国保の場合も
還元率だけで判断しないために
SES企業を選ぶ際は、還元率に加えて以下も確認しましょう。
- 案件の選択権があるか
- 待機期間中の給与保証はどうか
- 研修制度・資格取得支援はあるか
- 何次請けの案件が多いか
- 実際に働いている人の口コミ
まとめ:還元率は「計算方法」を確認せよ
SESの還元率は、エンジニアの年収に直結する重要な指標です。しかし、計算方法に統一基準がないため、数字だけを比較しても意味がありません。
- 業界の還元率相場は50〜60%。70%以上は高還元
- 「80%還元」は社保込みのケースが多い。実質60%台ということも
- 面接時に計算方法を具体的に質問する
- 還元率だけでなく、福利厚生・案件の質・待機保証も総合的に判断する